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2021年7月 2日 (金)

淡路島の観音さん

 

    淡路島の観音さん

 

海岸線を緩やかにカーブすると真っ白の観音さんが海の青さの中からぽっかり浮かび上がる。

淡路島から舞子へ通う度ここを通るとホッとする。

それは観音さんが亡くなった姉の様な気がするからである。

まだ42歳の若さで亡くなった姉の葬儀の日、夫がぽつんと「節ちゃんは観音さんのような人だった」といった。

そうだ、姉は観音さんだったんだ、、、ちょっとの間、空から降りてきてみんなに優しくしてまた空に帰っていった。。。。火葬場の煙突からの煙を見て私は姉の心を探した。

あの煙と一緒に姉の優しい心もどこかへ消えてしまうんだろうか、、、、、と空を見上げた。

 

あれから30年以上がすぎた。

6年前に淡路島に越してきてぽっかりと舞い降りてきたような巨大な観音さんに出会い、夫が言った言葉がよみがえってきた。

姉さんがいる。

カーブを曲がると海の青と空の青に包み込まれた姉さんがいる。

穏やかに一日の始まりを優しく彩ってくれる姉さんがいる。

「節ちゃん、今日も仕事に行くとよ」、、、と私は九州弁で話しかける。

ここを通るたび優しい風が吹いてきた。

 

 

そんな観音さんが老朽化のためこの6月から取り壊されることになった。

空と海に抱かれ立ちすくんでいる姉さんがまたいなくなる。

 

いなくなった後どんな気持ちでこのカーブを曲がるんだろう。。。。

この白さ、青さを惜しみながら私は今日もこの道をいそいでいる。

 

 

                     KOGUMA代表 松本昭子

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