詩
土色に変わりそうな遠い昔の詩集がでてきました。
教護院(今の自立支援施設)の保母を目指して九州の田舎から東京の教護院に就職したときの詩集でした。
民政局の福祉施設や児童相談所の人達が書いたエッセーや詩の中に自分の名前を見つけ、こんなこと書いたっけ、、、、、、とそのころの心境を思い出し懐かしく読み返しました。
望んだ仕事ではあったけど実家から離れた寂しさと実際、非行少年たちと携わる大変さにくじけそうになった時の詩です。
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緑と青と土のにおいは 昨日と同じ
そしていつか葬られた ハタチ
真綿でくるんだ自棄の心
コトコトと汽車の車輪は幼げにまわる方がよい。
汽車の窓からは 凍りはてた空だけが Y字型の分かれ道にたどり着くまで
おもしろそうに 見下ろしている。
ほら、もうすぐ 別れ道
そこがあなたの起点
緑と青と土のにおいは 昨日と同じ
あの有刺鉄線をくぐれば 私の全思惟は首をかしげ うなだれる
枯れた芝は重たげな足を すねを 指先を 疲れた素顔で くるむ
あの電車は既製の電車 人生という名の既製のレールの上を時間になったら走り出す。
暮色の中を人が定めた水平線まで、、、、、
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4万坪もある教護院には広い芝生があり、周りは生徒が逃げないように有刺鉄線で張り巡らされていました。まだ若い田舎っぺ保母の私は中学生の少年達と心通わす迄には時間がかかったものです。 でも自分で望んだ仕事だからくじけまい、、、と必死だったころのような気がします。
数年たって少年たちと心が解け合い仕事に燃える日々がきて今でも賀状をくれる子もいますが最初は毎日が戦いだったような気がします。遠い遠い昔が詩集の中から突然、飛び出してきて一人で悩み、葛藤してた自分を思い出しました。