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2010年3月 5日 (金)

『冬の旅』   立原正秋

立原正秋の「冬の旅」を一気に読んでしまいました。                                             昔テレビでドラマ化された少年院のお話です。あおい輝彦が主役を上手に演じていたのを思い出します。その影響があってかなかってか、私は教護院の保母になりました。教護院の保母になってからも、この本を読んでからも思う事は「世の中に悪い子はいない」 ということです。この本の主人公も年齢に比して、大人の気持ちを持っているのに驚きます。これには生い立ち、環境という背景、そしてこの子の持って生まれた優れた感性があってのことでしょう。感性の豊かさ、正義感の強さが世間的にいう問題行動の引き金になってしまうことは多々あります。

教護院の保母をしている時、私のクラスの子供達に詩を書かせました。今のようにゲームなど無い時代でしたので、心を文字で表現することにはそれなりの能力があり、驚いたものです。                                         目をあげて相手の目を見て話せない、とても暗い少年がいました。いつも彼はうつむき加減でしたが真面目で嘘のない子でした。その子の詩です。

脱線   H. 靖男

僕は今中学3年生。                                                                もうじき義務教育も終わろうとするのに・・・・。                                                 どうしたんだろう・・・・ どうしてだろう・・・・  普通の各駅停車に乗っていたはず                            なのに、僕の列車は突然脱線してしまった。                                                  もう戻せない?戻れない?                                                            僕の列車はこのままどこへ行くんだろう。

教護院に入ってしまった自分の不安を思春期の壁として上手に書いています。                             彼らには自分を見つめる気持ちがあり、メールなどの機械での伝達ではなく、口で伝える会話があったことを懐かしく思い出します。

 

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