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2007年12月21日 (金)

七輪で目玉焼き

寒さも厳しくなり、師走の足音にいろんなことを振り返る毎日です。

部屋の棚を整理しながら昔の日記に目を通してみました。、、、、、私が昔、教護院(現在の青少年自立支援センター)で保母をしていた頃の日記が出てきて読み返していると、黄ばんでしまったページには、非行少年と称されながらもいきいきとした、まだまだ幼い心を持った彼らの一言、一言が沁みこんでいて懐かしさで一杯になりました。  みんな、院内で生活している時は私達職員にもわがまま放題のことを言ったりするのですが、いよいよお別れ、、、という日がきて家族がお迎えに来て、玄関を出て行くときはどの子も目に一杯涙をためて顔があげれなくなるくらい泣いていました。かぼそい声でふりしきりように『保母さんありがとうございました」肩をふるわせながら、頭を下げる光景は今もしっかり動かぬスライドのようにまぶたに浮かびます。  広いグランドの隅にある裏門まで送っていく私の目も涙で一杯になり、見えなくなるまで手を振ったものです。

彼らに何が必要だったのか、、、、、、、煩悶する毎日でした。

毎日七輪に新聞紙を突っ込み火をおこし、炭に火が移ったところで小さなフライパンに卵を割って目玉焼きを当番でつくっていました。フライパンに油をひき、ジュワーと卵がひろがるさまに一生懸命家庭という味を彼らは模索していたように思います。そしてその瞬間でも「できた!!できた!!」と大声をあげ皆を喜ばせながらひとときでも暖かさを感じ取っていた彼らでした。

彼らの『保母さん」と呼ぶ響きの中には何かが欠けてしまい寂しい家庭で育った子供のもつ特有の人恋しさが溢れていました。

今の子供たちにない粗野で、素朴で、心を着飾れない素直さをとても懐かしく思います。

きょうびのいろんな事件をかいま見ながら子ども達の力関係が昔のように弱いものを助ける力関係ではなく、強いものに迎合する力関係でいじめが発生していることをとても悲しく思います。                    代表 松本 昭子

  

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